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不定期連載レポート2

『電子書籍の衝撃・キンドルで青空を』
~ 電子書籍端末の可能性とキンドル型ビジネスモデルを読み解きながら ~
レポートPart2

1「お金」 キンドルで買えるものは何か?

信費がかからない。それはキンドルの大きな特徴だ。オンライン状態であっても、ネットの閲覧自体にお金がかかることはない。ネットで買えるコンテンツ自体に費用はかかる仕組みになっている。

これは一体何を意味している?

僕たちが普段ケータイやパソコンをネットに繋ぐ時のことを思い出してほしい。ほら、こうやってこのブログを見ている時、僕らは気にしてないけどお金がかかっている。通信費ってやつだ。必ずプロバイダやら何やらからお金の請求が来るし、払わなきゃネットは使えない。

でも、キンドルは先ほども言ったけど、通信費はかからない。※

突然だけど、ちょっと考えてほしい。僕らは何かを買い物する時、何に対してお金を支払ってるのだろう?

「そんなの簡単じゃん。商品だよ。だってお金とものとを交換しているのだから。」そう簡単なのだ。スーパーだったら食材、喫茶店ならコーヒー、薬局なら薬。それらをお金を支払うことで交換している。

でも、ネットはどうだろう?僕らは本当にものに対してお金を払ってるだろうか?
例えば、ニコニコ動画。ニコニコ動画の収益って言うのはプレミアム会員の課金によって成立している訳だけど、プレミアム会員って何に対してお金を払ってるんだろう?

動画?確かにプレミアム会員限定っていう動画もあると言えばあるけどそんなの極少数だ。普通の人でもプレミアムの人でも一律動画は見られるわけで、ということは動画にお金を払ってるわけじゃない。

じゃあ実は何にお金を払ってるんだろう?

簡単に言ってしまえば「より快適にニコニコ動画を見るためのネットの中の空間」だ。

新幹線のグリーン車を思い浮かべてもらうと分かりやすいかもしれない。移動の手段も距離も長さも普通料金の人と何ら変わらないけど、グリーン車は快適な空間を提供し、よりよいサービスと施しを受けることが出来る。

プレミアム会員もより高画質で快適に動画を見るためにお金をかけるのである。この「より快適に○○を見るためのネットの中の空間」が商品となっている例は他にもネット上ならたくさんある。

つまり、ネットの中では「空間」にお金を払っているのであり、そこにあるコンテンツにお金を振り込むことはあまりない。それは日常のものと貨幣の交換という形からは随分と違うものだと言える。
※1

この「より快適に○○を見るためのネットの中の空間」を米光一成さんはワークショップの中で「道路」と表現した。
「(ネットのお金の仕組みは)道路にお金を払い、コンテンツそのものに払えてない」と言った発言はそうした背景からなされたものだ。米光さんの「コンテンツの作り手にお金が払われないのはしんどい」と言った発言はコンテンツの作り手からの本音だろう。

そうなのだ。問題なのはコンテンツの作り手なのだ。

コンテンツの作り手はより質の高い作品を作ろうとすれば必然そこに時間とお金がかかってくる。社会人になってからも作品をあげている人は仕事に左右されるし、環境が変わったために引退を余儀なくされた作り手も多い。表面上は多数の作品が見えていても、気がつけば制作者側が制作を持続できないために埋もれて行くということもままあるのだ。ネットは一発屋的な達成では有効かもしれないけど、持続が非常に難しい空間であると言えるだろう。

じゃあ話をキンドルに戻そう。最初に述べたことを思い出してほしい。キンドルはコンテンツにはお金を払うが、空間にはお金を払わない。ならば作り手としては、コンテンツを買ってくれれば儲けが入るのだからこちらの方が有効なのだ。これはネット空間がシンプルなものとお金の交換からできるようになったと言うことだ。

もちろん、キンドル的な商売方法がこれから増えるのかは分からないし、おそらくネットの中でも「棲み分け」がなされるものとは思うけれども、この仕組みができたことによって僕たちはどちらかを選択できるようになったのだと言える。そして、それは重要なことだ。

では、2「出版」 キンドルで出版は変わるか?で具体的に選択できるようになった時に何が起こるかを分析していきたいと思う。

その1へ

注釈

※1語弊がないように言っておけば、パソコンで見てるようなページの全てがキンドルで閲覧できる訳じゃないし、そこには制限がかかっている。だけど、ここで言いたいのはそんなことじゃなくて、重要なのは、お金。


※2(もちろん、ここにはインフラや流通が利潤を作り、産業を高速化すると言う長い歴史の中の問題や、貨幣という機能そのものの問題もあるので、簡単に述べることはもちろん不可能であることを分かった上で書いている。それらについては小説トリッパーの前田塁さんの連載「人間と速度」でより高度な分析がなされているので興味のある方は参考にされるといいかもしれない。)
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ゆりいか

Author:ゆりいか
ゆりいか クーデレのボクっ娘。本が大好き!お兄ちゃんボクにもお話聞かせてよ!!

(中の人) 大学生 男 二十歳 読書会やらいろいろ活動してます。 

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